起業のリスクを事前に把握して、抱えている不安を解消!

これまでサラリーマンだった方が起業を検討すると、

「うまくいかなかったらどうしよう…」

「多額の借金を背負ってしまったらどうしよう…」

などと、始める前からあれこれと考えてしまい、尻込みしてしまう場合も少なくありません。

このような不安を和らげるには、起業した場合のリスクの種類と、その対策について予め把握しておくことです。

これらの知識があれば、想像しているような”最悪の事態”を回避することができるため、起業の精神的なハードルが一段と下がります。

そこで、起業の際に起こりうる主なリスクと、その対策について詳しく解説します。

最後まで読んでいただけると嬉しいです。

 

起業時のリスク一覧

起業時のリスクは、主に5つ挙げられます。

その内容は以下の通りです。

  1. お金
  2. 時間
  3. 人間関係
  4. 健康
  5. 法律

それでは上記のリスクとその対策について、1つずつ詳しく解説します。

 

起業時のリスク その1 - お金

起業時の最大のリスクは、やはりお金です。

お金に関するリスクについて、その内容毎に分類します。

 

起業時の初期費用を掛け過ぎる

例えば飲食店を開業する場合、内装・インテリア等に拘る余り失敗するケースがあります。

飲食店では開業資金として大きな金額が必要になりますが、更に内装・インテリアに過剰にお金を掛けると、トータルで数千万円に上ることもあります。

これらの資金を金融機関からの融資で捻出すると、開店後の売り上げも予想できないまま多額の借金を背負うことになります。

業種で掛かる金額に差はありますが、何れの業種においても起業時の初期コストは極力抑えることが重要です。

対策

  • 初期費用は極力抑える

 

起業後のランニングコスト(運転資金)

起業すると、例えば光熱費、通信費、オフィスの賃料、従業員の給料など、毎月の経費(ランニングコスト)が掛かります。

この運転資金が底を尽くと、経費の未払いに陥り、事業がストップするリスクを孕みます。

起業後に利益を回収するまで耐えられる十分な余剰資金を備えておくことが重要です。

対策

  • 余剰資金は多めに用意しておく

 

資金調達の不足

金融機関からの借り入れを申し込む際、審査が長引いたり、結果として審査に通らないと、事業に必要な資金が調達できないリスクが生まれます。

対策として、金融機関へ融資を相談する段階で、先方の担当者と積極的にコミュニケーションを取り、必要な書類を作成し丁寧に説明していくことが肝要です。

また融資に頼らずに、全て自己資金で事業を展開していくのがベストです。起業時に「借金をしない」というルールを自分自身で設けるのが良いでしょう。

対策

  • 金融機関の担当者と密に繋がる
  • 金融機関に頼らず全て自己資金で賄う

 

収益が予想より少ない・安定しない

起業前に想定した収益を出せない、もしくは収益が安定しないリスクがあります。

特に起業時は期間限定のキャンペーンや初回無料といったサービス価格を打ち出すと、収益が予想より少なくなるのは自明です。

計画的に事業を進めていけば、特に問題無く収益をあげることはできます。また値下げではなく「付加価値」を付けて、その分値上げするなどの措置も有効です。

そして副業からスタートし本業の収入を超えれば、その後は問題無く起業できます。

対策

  • 計画性を持った事業を展開する
  • 付加価値を提供し利益の上乗せを図る
  • 副業からスタートする

 

売掛金の回収が遅れる

売掛金を回収する際、例えば月末締めで翌月末払いなどのように回収への意識が低くなると、キャッシュフローが立ち行かなくなるリスクが生じてきます。

この対策として、事前に支払いに係わる契約書を交わす、もしくは前払いで一貫するのが有効です。

対策

  • 事前に支払いに係わる契約書を交わす
  • 前払いのみで一貫する

 

手元金の使える上限を把握していない

支払いの資金を把握していないため、売り上げた金額は全て自分自身のお金と勘違いしてしまい、税金等の経費に支払うお金が残っていない事態に陥り、資金繰りが非常に厳しくなります。

そして最悪の場合、帳簿上では黒字にも関わらず資金がショートする「黒字倒産」が起こります。

事業とプライベートの資金を区別し、資金のフローを理解することが重要です。

対策

  • 事業とプライベートの資金を区別し、使用できる範囲内を超えないようにする

 

起業時のリスク その2 - 時間

起業すると、時間もリスクとなります。

時間に関するリスクについて、その内容毎に分類します。

 

仕事とプライベートの境界が曖昧になる

起業家は常に仕事のことを考え、時間帯を問わず電話やメール等に対応しがちで、休暇やリラックスする時間が取れなくなると心身共に疲弊してしまいます。

このようなリスクを回避するためには、自分自身で営業時間を決め、営業時間外では電話に対応せずメールは返信しないなど、一定のルールを設けるのが得策です。

その範囲内で取引するお客様を大切にする一貫した姿勢により、結果として事業が継続し、お客様との良好な関係を保つことができます。

対策

  • 仕事とプライベートを区別するルールを設ける

 

顧客への過剰サービス

起業時は仕事量が不安定になりがちで、将来の末永い関係を望む余り、顧客からの要望をスケジュール度外視で引き受けてしまうと、お客様にとってはそれが取引の基準になります。

すると取引の頻度が増えて納期までにタイトなスケジュールを組むことになり、後から適切な納期にするよう交渉しても承諾されないリスクが出てきます。

この対策として、始めから無理なスケジュールは組まないことが肝要です。

逆に納期を遅く設定し早めに仕上げれば、お客様からの評価が高まります。

対策

  • スケジュールに余裕を持つ

 

起業時のリスク その3 - 人間関係

友人やビジネスパートナーと共同で起業する場合、また家族を持っていると、人間関係が大きなリスクになることもあります。

人間関係に関するリスクについて、その内容毎に分類します。

 

共同経営者との関係の悪化・裏切り

それまで良好な関係を保っていた友人やビジネスパートナーと起業する場合、経営方針の相違や待遇等の利益配分をきっかけに、次第に険悪になってしまうことがあります。

このギクシャクした関係がエスカレートすると、起業当初は全幅の信頼を寄せていた共同経営者が辞めてしまう、果ては会社の現金を持ち逃げされて借金だけが残るという、最悪なケースにも陥りかねません。

このリスクを未然に防ぐには、他の人と共同で起業する場合はパートナーとの関係に常に配慮する、もしくは一人で起業することが重要です。

対策

  • 共同経営者との関係に気を配る
  • 一人で起業する

 

家族の理解が得られない

起業すると仕事を優先しがちになり、起業前は週末に家族と過ごすのが当たり前だったことが、仕事により簡単な家族サービスもままならないことが増えてきます。

また会社の立ち上げ時には、収入が減るなどの不安定な時期を経験することもあります。

このような状況が続くと、当初は家族の理解を得られていたのに、徐々に不満のほうが大きくなり、一番のパートナーである家族から応援されなくなります。

このような事態を避けるには、仕事の現状や将来について包み隠さず話す、家族との時間を確保する、そして家族に感謝の気持ちを表すことが重要です。

対策

  • 仕事の現状・将来について正直に話す
  • 家族に感謝の気持ちを表す
  • 家族を大切にする

 

ビジネスと関係の無い友人に営業する

起業後に旧友と再会した場合、自分自身の事業について話し、その営業にまで及んでしまうのは避けたいところです。

また起業の話を聞いた友人が、何か手伝うことがあればと軽く言ってきたことを真に受け、半ば強引に仕事を頼んだりすると、これまで築いてきた友情が一気に喪失していきます。

友情に仕事を絡ませないのが鉄則です。

対策

  • 友情と仕事ははっきりと区別する

 

起業時のリスク その4 - 健康

何事も体が資本ですが、起業時は殊更健康が重要な要素になります。

健康に関するリスクについて、その内容毎に分類します。

 

精神的なケアを怠る

事業について決断を下す経営者は、概して孤独なものです。

事業の将来、従業員の雇用を守る、解決しなければならない問題…。

このような内容を頭の中で常に考えていると、精神的な負担が大きくなり、その歪みが身体的な不調となって表れます。

この対策には、転ばぬ先の杖として事業に対する不安に様々なリスクヘッジを掛けてリスクを分散する、また定期的にストレスを発散して気持ちを切り替えるなどが有効です。

対策

  • 事業のリスクヘッジ
  • ストレス発散

 

健康管理を怠る

起業時は事業が軌道に乗るまで成果を出そうと焦ってしまい、休暇を取らずに働いてしまうなど、何かと無理をしがちです。

始めは気合と根性で乗り切れるかもしれませんが、長期間の無理が祟り、体調不良から倒れてしまうことも考えられます。

手術やその後の入院で医療費が掛かり、また仕事が出来ない空白の期間が生じることで、売り上げの鈍化や顧客離れが生じるリスクを孕みます。

この対策として、生活にルーティンを設け規則正しく過ごす、また定期的な健康診断が有効です。

対策

  • 生活に規則を設ける
  • 健康診断を受ける

 

不慮の事故に遭う

車の運転には十分に気を付けなければいけませんが、それでも事故を起こしてしまったり他の事故の巻き添えを食うことがあります。

けがによる入院により事業から離れなければいけなくなり、その期間の利益が減少する。

また事故に対する賠償金を支払うリスクも生じてきます。

この対策として、コロナ禍では控えることが賢明ですが、公共の交通機関を利用したり、自身で運転する場合は安定運転を心掛けることが重要です。

また万が一のために保険に加入することもリスク回避に繋がります。

対策

  • 公共の交通機関を利用する
  • 安定運転
  • 保険への加入

 

起業時のリスク その5 - 法律

当然の話ですが、日常の生活を送るのも起業してビジネスを展開するのも、法律に則った上での話です。

法律に関するリスクについて、その内容毎に分類します。

 

業務上の過失

例えば工事現場での発生した事故によるけが、飲食店での食中毒など、事故等は営業停止などのペナルティを課されるリスクがあります。

マニュアルを作成する、または基本の徹底や定期的なチェックなどの、事故を未然に防ぐための対策を欠かさないことが重要です。

対策

  • マニュアル作成
  • 基礎の徹底
  • 定期的なチェック

 

法改正・資格更新・許認可への対応を怠る

事業を展開する上で必要な資格や営業許可は、必ず取得しなければいけません。

これらの資格無しに事業を展開すると、コンプライアンス違反となり、社会的な信用を失ってしまいます。

また資格の再取得にはコスト・時間共に必要なため、できる限り避けたいところです。

対策として、事前に対応漏れをチェックする、再取得が必要な場合は同業の知り合いから情報を得たり専門家に相談するのが有効です。

対策

  • 対応漏れの事前チェック
  • 資格の再取得に関する情報を得る

 

以前に勤めていた会社の顧客を引き継ぐ際の契約(競業避止義務)

元勤務先と同様の事業で起業する場合、個人情報保護の観点から元勤務先のお客様に連絡するのは避けたいところです。

また独立前の勤務先と競業避止義務(きょうぎょうひしぎむ – ある一定期間は同業で就労しない)を交わす場合もあります。

この義務を交わした以上は遵守しなければいけませんし、起業・独立により新しい顧客を自ら獲得していくという、社会上の規範に則るのが基本的な心構えです。

また元勤務先からの顧客が、起業した会社との取引を希望する場合、元勤務先の経営者から承諾を得るのが望ましいでしょう。

対策

  • 競業避止義務を交わした以上は遵守する
  • 起業による新規顧客の獲得をメインとする
  • 元勤務先とは良好な関係を保つ

 

まとめ - 起業時のリスクは、正しい予備知識で大幅に軽減できる!

ここまで、起業時のリスクとその対策について紹介しました。

ここまで読めばお気付きかと思いますが、重要なことは

起業時のリスクは、適切に対策を取れば問題にならない

という事実です。

万が一問題が起きても、今回紹介した対処法を参考に対応すれば、ほとんどの場合は滞りなく解決できます。

起業時のリスクについて色々と考えすぎると次第に不安が大きくなり、

「やはり起業せずにサラリーマンを続けよう」

と自分自身に言い聞かせるようになります。

しかし現在はサラリーマンが安泰という時代ではありません。

よって、

「サラリーマンであることがリスク」

という言い方もできます。

そして、これは私自身が起業して実感したのは、

「行動しないことが最大のリスク」

ということです。

手始めに副業からのスタートが現実的です。

プロセスを楽しみながら、ある程度の結果が出るまで粘り強く行動しましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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